ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

人の目銀河

最近は、本当に眠くて起きていられない。休みの日なんて7時とか8時まで眠っているのに、夜は21時を超えると眠くてたまらない。もうずっとまどろみのなかで生活しているようで、頭の芯がどろどろになっている気がする。なんというか、思考がうまくまとまらない。
この間も会社のチャットで、人に何かを説明して質問するときに、ふと「これでいいんだっけ」と思ってしまった。そこから何もかもまとまらなくなって、いつものように「何言ってるのかわからない」というような事柄を丁寧に掬い取ってもらっている。他の人たちに申し訳ない。

この数年で、コミュニケーションが下手くそになった、というわけではない。
元々下手くそだったことに、ようやく気づいたのだと思う。

自分の考えていることは頭の中でA→B→C→Dと続いているけど、口から出す時は相手もその矢印をわかっているという前提条件のもとA→Dとショートカットしてしまったりする。これがわかりづらい。
結構前にカウンセリングの人に言われたことでは「全く関係のない事柄を自分を悪く言うために繋げている」「それはいま関係ないですよね」と言われたことがある。関係ないことを自分に関連づけてしまう。一生人の目を気にしている理由がこれなのかもしれない。

通勤する時は眼鏡を外している。
最近受けた視力検査では眼鏡をしていても0.3とか0.1だったから、眼鏡を外したら0.1を切るのではないか。そういうぼやけた視界の中を歩いていると、例えば会社の人とすれ違っても気づかないので気が楽だ。挨拶をするのが苦手なので、人の顔が判別できないのはありがたい。会釈程度はするのだが、相手が視界の端で会釈を返さなかったとき、あっ、挨拶しなければよかったと思ったりする。

そのくせ、自分のなかをよく覗いてみると、たぶん人と話すのは好きな方なのだ。
だからリモートワーク全盛の世の中でも通勤をしてしまう。もちろん家が働く環境ではないとか、そういうこともあるけれど、概ね人と話したいがために出勤しているような気がする。しかし人の顔と名前が一致せず、人と話すのも苦手で、誰かに見られている気がすると落ち着かない、という最悪な連鎖が起こるので結局静かに丸まって働いている。

人の顔と名前が、ずっと一致しない。人の目を見て話さないから顔が覚えられないのかもしれない。
誰かもわからない人と会社ですれ違い、話しかけられた日にはパニックになる。必死で名前を思い浮かべても誰かわからない。

右も左もわからない、どころではない。
上下左右、どこが地面かわからぬ宇宙を、極端に悪い視界で歩いている。人の目が、無数の星に見える。だから銀河のようで。
いい歳なので、もう自分で天地を定めて歩いてゆかないといけないのに。


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8億年ぶりぐらいにスカパラの「銀河と迷路」聞いたけど、こんなキー高かったっけ…