ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

コリン・カリー・グループ「ライヒ:18人の音楽家のための音楽」を見に行った

私がライヒの名前を知ったのは坂本龍一のラジオかインタビューだったと思う。
思えば「ミニマル」という単語も「現代音楽」というジャンルも教授が教えてくれたのだった。
テリー・ライリーの「In C」も聴いたし、シュトックハウゼンの「ヘリコプター・カルテット」も聴いた。
でも、一番好きだったのはライヒの「ディファレント・トレインズ」だった。

そのライヒは来日しないものの、彼が絶賛した人々(コリン・カリー・グループ)が、
「18人の音楽家のための音楽」をやるという。
あっ。これは行っておこう。よくわからないだろうし、最近はライブ中にほぼ100%の確率で眠ってしまうのだけど。
とにかく行っておこう、と思って1月にチケットを取ったのだった。

それはライブというか「体験」だった。
先日見に行ったダムタイプに近い手触りだった。(あちらは見て回るから寝ないけど。)

一定のリズムで繰り返される声と演奏。
気が変にならないのか心配になるぐらい正確な間で、コーラスが、ビブラフォンが、弦楽器が演奏されていく。
なるほどこれは、15年ぶりの公演になるはずだ、と思った。

今年はもっとこういう、自分の理解の範疇にないものを見に行こうと思って。
勢いでチケットを取ったけど間違いではなかった。合っていた。
人生の実績を解除した、と終演後に私は一緒に見ていた恋人に言った。

「これからの人生は『18人の音楽家のための音楽』を見た人生になるんだよ」