ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

スノーガールにあこがれて

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スノーボードをやり始めて、6年目になる。
最初はガーラ湯沢のレンタルボードとジャケットで、初心者用のコースを大泣きしながら「降りて」いたのに、野沢温泉の中級者コースであればまあまあ「滑って」来られるようになった。

学生時代から、運動と無縁だった。唯一、長距離走だけは「やれば終わる」ということでマシという感じだった。技術が必要とされるスポーツは全てダメだった。
やっていて自分が下手だと思ってしまうと、もう出来ないしやりたくない、と止まってしまう。楽しさに辿り着けなかった。

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どうしてスノーボードをやっているのだろう。
付き合っている人間がスノーボードをやっているからだ。

恋人が声を枯らして教えてくれるのにできない自分が嫌で、何度も大泣きしては「なんでこんなことやってるんだろう」という気持ちになっていた。
貴重な休日をつぶして、こんなことをやって…SNSを見るとみんなオシャレして美味しそうなものを食べたりしている。
私はどうしてすっぴんで泣き喚いているんだろう…?

それでも1回で終わらなかったのは、恋人の献身に応えたい気持ちがあったのだと思う。

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こんなに教えてくれているのに、という気持ちがあった。
何回か行くうちにゲレンデでは立てるようになったし、ターンも出来るようになった。板を横ではなく縦にして滑れるようになると、自分がゲレンデで「避ける」側になっていた。

先日は会社で初対面の人とスノーボードの話をした。こんなこと、学生時代の私ではとても考えられなかったことだ。グラトリできませんよね、なんて盛り上がった。

北京五輪も競技については楽しく見た。もともとスポーツを見るのは好きだけど、スノーボードを始めてからは難しさが身に染みて分かるから、もっと楽しく見られるようになった。
BURTONの来期の板だ、なんて分かるようになって。
着られる服も増えた。いつもはモノクロが多いけど、スノーボードのときに着る服はビビッドな服がいい。
板もいつのまにか2枚に増えて、手伝ってもらいながらホットワックスを入れるようになっている。

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まだまだ行けないところや滑れない地形が多い。急斜面だって怖くて足がすくんでしまう。逆エッジを食うこともある。その度大げさに痛がってみるけど、スノーボードをやめようということにはならない。
なんでだろう。恋人と行くのが楽しいというのは大いにあるけれど、それ以上に「運動が苦手だった自分が運動をできるようになっている」というのが大きい。

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大人になっても「できること」は増やせるんだ、ということをスノーボードが教えてくれた。

今週のお題「冬のスポーツ」