今年は「1週間に1冊は本を読もう」と決めた。
憧れる人たちは読書家で、やっぱりよいアウトプットはよいインプットからだな、と改めて思ったからだ(これは私が一社目に働いた会社に起因する)。
自分で読んでメモを取るだけでも楽しい。だが味気ない。
だから、今年は1ヶ月に読んだ本をここで振り返っていきたい。
服部みれい「あたらしい移住日記」
2021年が始まって、最初に何を読もう?と思った時、服部みれいの日記を読もうと思った。この「移住日記」までに二冊(「あたらしい東京日記」「あたらしい結婚日記」)出ていて、この「あたらしい移住日記」が三冊目。雑誌の編集者が東京で暮らし、結婚し、そして岐阜に居を移す、という人生の様々なイベントが軽い文体で書かれているので読みやすい。そしてちょっとスピリチュアルなのもいい。
私はわりとスピリチュアルなものが好きで、断言法とか掃除で開運、みたいなものであれば悪影響ないのでやっていけばいいと思っているタイプです。彼女の日常に散りばめられる「スペースクリアリング」とか「白湯」、「呼吸法」みたいなものは試してしまう。さすがにOリングとかはまだやっていませんが。
心理的安全性のつくりかた
話題だったので読んだ。読んだら、あまりにも今の勤め先と剥離していて落涙しそうになった。部内で目安箱のような活動をしていた同僚氏(チームも部署も違うが会えば一言二言話す)が転職したあと、ふと「彼がうちの部署でやろうとしていたことは、この本に書いてあることで、心理的安全性をどうにか確保しようとしていたのだな」と腑に落ちた。
様々なワークが挙げられていて、それをやろうとメモはしているのだが、やっていない。きっとやらないまま本を手放すだろう。
堀江敏幸「おぱらばん」
- 作者:敏幸, 堀江
- 発売日: 2009/03/02
- メディア: 文庫
私はここに収録された「黄色い部屋の謎」を読んでjoseph rouletabilleと名乗っていたことがあったし(訳が格好いいからだ)、エミール・アジャールの小説「ソロモン王の苦悩」も図書館で借りて読んだ。
そしてそのように自分の体験と書籍などを結び付けることを、堀江敏幸は「私にはそんなぐあいに、書物の中身と実生活の敷居がとつぜん消え失せて相互に浸透し、紙の上で生起した出来事と平板な日常がすっと入れ替わることがしばしばある。」と書いている。こういう文章が素敵だと思う。
平野啓一郎「私とは何か」
私には昼間の仕事(A)のほかに「別件」と読んでいる、平たく言えば副業が二つあり(B,C)、もう一つ行きたかった会社の業務委託を受けている(D)。Bで壮絶なミスをしたためAもCもDもすべて立ち行かなくなり、プライベートの私もいきなりパニックになって泣いてしまう、ということが先日あった。「分人」という概念を知っていたけど、このありさまだ。
Aの私と、プライベートの、恋人と過ごしている時の私は違う私だ。
「たった一つの「本当の自分」など存在しない。裏返して言うならば、対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」である。」
まえがきでこう書いてもらって、安堵したのに。まだ、「分人」の概念があまり自分に浸透していない。折に触れて再読して、嫌な自分を生きているときも安心したい。それは休日の私とは切り離されているのだから。
北原孝彦「ズボラPDCA」
インターネットでよく見ている方が読んでいたので、取り寄せて読んだ。PDCAを回しましょう、その前にとにかく考えましょう、みたいな本なので仕事術として使うならあまり役に立ちそうな感じはしない。そもそもPの立て方をあまり説明してくれないのだが、筆者の心配性には共感した。心配性というか、臆病さか。
経営している会社の従業員から連絡があるとドキッとする、お客さんが怒っているのか、それとも従業員が辞めてしまうのか…と思う、みたいなことを言っていて”人間味”を感じた。私もいつも誰かからの連絡には怯えている。
イ・ラン「私が30代になった」
先日、下北沢の古書ビビビに行った時に目に入ったので買ってみた。1ページ1枚のイラスト本だと知っていたら買っていただろうか…いや、買ったか。だるい時にさらっと読める。タイトルが刺さったのだ。私も12月に30代になったばかりだから。成毛眞「バズる書き方」
私は自分の書いたものを誰かに読んで欲しいし、できれば「いいね」が欲しい方の、俗な人種なのだと自覚している。それなのに、レジに持っていく時の恥ずかしいこと。あんまり参考にはならなかったが(たとえば「w」の使い方について書いてあったりする。新書だからな~と思って忘れることにした)、新書はこういう話題の本が出ているのか、と思った。
なぜか新書に苦手意識があり、あまり読まないで生きてきたのだが、たまには読んでみようと思う。