ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

雨降りの隣人

弊社は建物のうちおよそ3分の1ぐらいのスペースを使用しており、
残りのスペースはおしゃれなモード系の洋服を扱う
(私でも一つ二つは取り扱いブランドを知っている)事務所が入居している。

自分の席からは窓の外が見えない。
目隠しを取ればよい話なのだけど、そうすると天気の良い日には丸焦げになりそうな構造だ。
天気も当然分からない。
そして、帰宅時には一刻も早く帰りたい。
目的の駅に停まる電車は10分か20分に一度しかこの駅には止まらず、
それを逃すと改札の中で無駄に時間を潰すことになる。

大都会を走る地下鉄は何社もつなぎ合わせたいびつな区間であり、
我が地元を走る私鉄と違って乗客を待ってはくれない。だから早く駅まで行かないといけない。
そう思いながらお隣さんの前を通り過ぎる。

全く顔なんて知らないし名前も知らないが、お隣の事務所は喫煙者が多いらしい。
よくこうして共有スペース(なんて大それたことは言えない階段の踊り場)で、
おしゃれな灰皿を持って煙草を吸っている。
そして、今夜すれ違った人も煙草を吸っていた。

「おつかれさまです」と私は言う。すると彼が「いつもご苦労さまです」と返す。
いつも、と言うほど私はその人に会っていないし、今日が初対面のはずだがそういう定型文なのだろう。
社会人は難しい。
愛想笑いで曖昧に返事をして階段を降りようとすると、後ろから「雨降ってますよ」と声がかかる。

「…え、うそ?!」
「降ってます」

見ず知らずの人に素っ頓狂な声で受けてしまったのが恥ずかしいのと、
一度帰ったのに忘れ物を取りに戻るのも恥ずかしくて、駆け足で自席まで戻る。
そのまま猛然と傘を手に取り、また張り付いたような愛想笑いでお隣さんに挨拶をした。
「ありがとうございます」と言った。

お隣さんは笑顔で煙草を吸っていたように見えた。
視界の端でわずかに写った顔は、苦笑いとも愛想笑いとも取れる笑顔であった。
それから、彼に会っていないけど、次に会う時も雨が降っているような気がする。

私的ベストコスメ2015

今年買ったものAdvent Calendar 2015 六日目の記事です。

www.adventar.org

毎年洋服や化粧品、あればガジェットなどをひとまとめにしてベストバイを書いているのですが、
今年は化粧品に絞って記事を公開します。

クレンジング部門

SUQQU リセットクレンジングエマルジョン N
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リセット クレンジング エマルジョン|SUQQU [スック]
美容三誌(VOCE・MAQUIA・美的)のベストコスメにも選出されていましたが、私も今年はこれが一位です。

どこがよいか
・ミルククレンジングである
・きちんと化粧が落ちる

どこがだめか
・高価である(150ml/4000円。というのはちょっとお高い)

今までシュウウエムラ牛乳石鹸のオイルクレンジングを使っていましたが、
化粧が薄くなったこと、落としたあとのツッパリが辛いこと(牛乳石鹸は悪くないのですが、落としたあとやはり乾燥します)や、
油臭さが気になりミルク〜ジェルで検討した結果こちらに落ち着きました。

概ね平均的な化粧の濃さだと思われますが、きちんと落ちます。
ファシオのマスカラのような強固なウォータープルーフは試していないので分かりませんが、
普通のウォータープルーフ程度であれば大丈夫です。

スキンケア部門

HAKU メラノディフェンスパワライザー
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[炭酸泡]美白乳液|商品紹介|HAKU|資生堂|シミ 美白化粧品

どこがよいか
・炭酸泡が出てくるのが面白い
・乳液だけどサラッとしている
・ドラッグストアで購入できる

どこがだめか
・高価(6000円)

乳液嫌いなので化粧水だけつけて終わり、ということもざらだったのですが、
最近はそうも言っていられず乾燥するし美白もしたいし、という時にちょうどよかったのがこちら。
HAKUは資生堂が展開しているもので、ドラッグストアで買うことができます。

また、乳液嫌いでも付けられる程度にサラッとしたつけ心地で、
炭酸泡がぷちぷち弾けるのが肌で感じられるのも楽しかったです。

ベースメイク部門

CHICCA ラヴィッシンググロウソリッドファンデーション
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CHICCA【キッカ】 - 艶めく、ときめく。メイクで簡単に“エイジング・ケア”。 -

どこがよいか
・塗り方が楽
・いかにも「塗ってます!」にはならない

どこがだめか
・スポンジ推奨なので持ち運びには不向き

昨年はTHREEの下地だけを塗ってベースを完成させていましたが、
カバーしきれないところが出てきたのでこちらを購入しました。
ファンデーション塗り慣れてない私のような人間でも
ステンシルみたいな方法なら普通に使うことができ、かつ綺麗に仕上がります。
購入の決め手は「小鼻の赤みをカバーできること」でした。
しかし前述のとおり、スポンジでステンシルのように塗るので持ち運びには本当に向いていません。

ポイントメイク部門

THREE 4Dプラスアイパレット
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THREE 4Dプラスアイパレット | THREE

どこがよいか
・色展開が渋い
・赤みベージュだけど腫れぼったくならない

どこがだめか
・浮かばないけど強いて言えば発色が薄いかもしれません

購入したのは03のTRANSCEND TIME。上の画像の右から二番目、赤みがかったベージュです。
左上の色はピンク色ですが、私の目蓋ではほぼ発色しません。
ほんとうにニュアンス程度です。

茶色のオイルベースがいい働きをしている気がします。
使用方法の通り重ねると「ナチュラルだけどなんとなく目力ありそう」な感じに仕上がる、ような。

総評

今年はTHREEの年だったように思います。今年「も」か。
基礎ものを固めることを目標に頑張った一年でしたが、結局とても揺らいでいたようです。
来年はTHREEあたりで基礎ものを固めたいところです。

明日は u_1_p さんです。

はてなブログは4周年! 私の変わったこと、変わらないこと

「4年間で変わったこと、変わらないこと」

はてなブログ、確かサービス開始時にお知らせを受け取るメールを設定したと思ったけれど、
そこから4年経つのか…。
あらためて、いろいろとおめでとうございます。
いろいろなイベントに行かせていただいて、ブログたのしい!を再確認したのは、
はてなブログだったからかも、と思いました。

4年前というと2011年。
全く現実として感じられないけれど、確かに四年間という月日が降り注いだ。
誰の上にも平等に降り注いだなあ、と思う。

ずっと使っている手帳もたまっている。
その中に自分の4年間が記されている。

変わったこと

大学生から社会人になった。
アルバイトから正社員になった。
転職をした(カスタマーサポート→事務)
めがね
スマートフォンのOS(AndroidiOS)
PC(Let's Note→Macbook Air/early 2014)
服の趣味

変わらないこと

使っている手帳(ほぼ日一択)
日記を書くこと(断続的ではあるけれど、アナログの手帳に記す。というのは続いている…)
食べものの好み

ああ、そういえばブログも変わりました。
4年間の間にいくつかブログのURLを移りました。

引き続きよろしくお願いします。

次の4年はアラサーちゃんアラサーちゃん、30歳手前なのだけど、
きっと楽しく過ごしているよ。

あなたの追う文字を私も追おう:本を薦めるということ

id:attsumi さんがtwitterで下記のようなことを仰っていたのでなんとなく書いてみた次第。

ここ最近は知りたいことが増えて、本を選んで読むのがとても楽しい状態が続いているけれど、人が良いですよってすすめてくれた本を読みたいって気持ちもあるので、皆様好きな本や影響を受けた本をぜひブログにかいてくださいおねがいします

河岸忘日抄 (新潮文庫)

河岸忘日抄 (新潮文庫)

堀江敏幸の傑作長編小説だと思っている。単純にブックガイド的に読んでも面白いと思うし、氏のエッセイかと思うような作りでもある。
事実彼は小説内の主人公と同じようにフランスへ留学のようなことをしていたわけだし、紹介される本は全て氏の好みだろうと思う。
この小説内の主人公は人に話せばそこそこドラマティックな経験ののち、ありふれた日常を過ごしながらクレープを焼いたり、
古い本を引っ張り出して読んだり、異国の事務手続きの煩わしさに腹を立てたりする。

おぱらばん (新潮文庫)

おぱらばん (新潮文庫)

おぱらばんという単語は仏語で「過去」を示すものらしいが、堀江氏が出会った中国人の留学生はみなこの単語を使っていた、
そういう話から始まる表題作、一瞬小説なのかエッセイなのかわからなくなる「貯水池のステンドグラス」などなど。
堀江敏幸なら上記二つがとても好きです。これもブックガイド的に読んでみてもいい。
私は「ソロモン王の苦悩」を読んだ。

佐々木中という名前を知ったのはヴィレッジヴァンガード新宿店で展開されていたこの本からだった。
鮮烈としか言いようがなくて、どハマりして読んだ。

このあたりも「切りとれ〜」と同じにおいで、後者に関しては河出文庫から出ているので持ち運びも便利。
(私はまだ読んでおりません、、だめじゃん、、)
というか「切りとれ〜」の鮮烈さをこの二作が超えてゆかない(ファーストインパクトが凄すぎた)、という話。

スペインの宇宙食 (小学館文庫)

スペインの宇宙食 (小学館文庫)

菊地成孔のエッセイって何冊か出てるのだけど絶対にこれを断固としておすすめします。
理由はただ単に「ウェブで公開されていた食に関する日記が読めるから」なんだけどこれが相当面白いのでおすすめです。
私のようにブログの文や行間、固有名詞よりその人を見てその人になりたいと思うようなミーハーな人間なら面白いと思う。
これも、堀江敏幸の本のようにグルメガイド的に読めたりする。代官山のシェ・リュイとかね。

パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)

一時期小説が読めなくなって、薄かったのでなんとなく手に取ったらよかったという話。
表題作はなんというか決断の瞬間がすごく鮮やかで軽やかで良い印象がある。

もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

こじらせ系恋愛エッセイ。ほむほむこと穂村弘が語る魔性の女の話とか、私が好きな人は私なんかを好きにならない。みたいな痛くて屈折した話などなど、
私はすこーーーんと膝を打ちながら「うわーーあるあるあるある!」と頷くばかりでございました。ほんとうに。
ほむほむだとこっちも好き。
世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

エッセイの最後に短歌が添えらえている。というのすてき

あと「手紙魔まみ〜」は最高だし文庫化したのでぜひ。

彼女のこんだて帖 (講談社文庫)

彼女のこんだて帖 (講談社文庫)

めちゃめちゃに心が砕けたときとか、どうにかしないと。という時に。
結局のところ美味しい料理を食べるとなんとなく嬉しい。という感じがします。そしてレシピ付き。
で、何が良いかというと連作短編集になっているという点。

料理ならこちらも。
作中のレシピは作ったことがないけれど、いつか作りたいと思っている。
そして「どうにかしないと。」という時、手を動かせばだいたいのことは晴れるのだけど、趣味もやる気にならないし、という時には
おそらく、決まって料理が一番手っ取り早い処方箋なのだと思う。

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉

まだ数頁しか読んでないのだけどこの表題が卑怯すぎて切れ味抜群すぎて最高なので。

しかしこうしてみると私はほんとうに本読んでないな、、まずい。
同じ本ばかり繰り返し読んでしまうので、こういう記事を書くと似通ってしまう。なにと。過去と。

参考になるか分かりませんが、読書の秋ということで。

「山口小夜子 未来を着る人」

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東京都現代美術館と近いところに用事があり、そこに着いて行ったので、
とても唐突だけど行ってきた。

展覧会|東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO

内容はここに書かれている通りの感じ。
前半は山口小夜子の写真やスクラップブックなど、後半はゆかりのある人物たちによる
トリビュート作品という構成だった。

個人的には資生堂の一連のポスターを見ることができたのがよかった。
で、その近くに面白い文章があった。

山口小夜子の瞳はどちらかというと丸かったので、東洋人っぽく化粧をしていた」
みたいな感じのキャプション。

へえ、と思った。
私は山口小夜子のすっぴんを見たことがないけれど、もともとの顔も
切れ長の二重なのだろうなと思っていたので、そういう化粧に「わざわざ」しているというのが
(一重まぶたではあるけれど)切れ長と形容される目の私には少し驚きだった。

CYAN(シアン) issue 003 (NYLON JAPAN 2014年 12月号増刊)

CYAN(シアン) issue 003 (NYLON JAPAN 2014年 12月号増刊)

確かCYANのこの号に山口小夜子の特集があって割と面白かったのだけど、
化粧としてどうなんだろう。難しい気がする。

さて、その他にも朗読があったり(「陰翳礼賛」)、衣装の展示があったりといろいろと楽しいものだった。
あと流れていると反応してしまうなと思ったのはこれ。
資生堂リバイタル 1985年 15秒'ver - YouTube

会場で流れていたのは15秒版ではないけど。

あと会場は割とおしゃれな人が多かった。ので気の抜けた服装で行った私はたいへんつらかった。
いやまあ別にどうでもいいんですけど。いいんですけどね。

化粧品について

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先日、marks & webのナイロンポーチを手に入れたので、
現在主に使っている化粧品をそこにどさっと入れてみた。
黒いナイロンポーチ、無印良品で探したけど無くて、
marks & webがあってよかったなあという感じであった。女子力ゼロという感じだけど。

化粧品については去年のベストバイとかでも触れたので特筆することはないんですが、
THREEの下地が本当にオススメです。肌がぼわっとボケて見えるのでそこそこ肌がきれいに見える(気がする)。
あとアイシャドウの下地も必要だなあという感想です。
今ADDICTIONのアイシャドウ使ってるので、そこの下地を使っているんですが
おそらく発色とかモチの面で貢献してくれてるんだろうなあという印象。

最近は化粧が薄い傾向にあって、
自分でもどうしたんだろうという感じがある。
とはいえ昔の化粧の手順を踏むとなるとおそらくアイメイクすごいことになるし、
今から眺めるとよくそんな濃い化粧していたなという感想。
まあ、一重まぶたなので濃い化粧じゃないと認識してもらえないという恐怖感があったのだけど。。

そして化粧を薄くした分スキンケアとか紫外線防御などなどを頑張らないといけないのであった。うーん
THREEの日焼け止めどうなんだろう。

「自作お弁当ランチ」という試みについて

会社にて、唐突に「自作お弁当ランチ」が始まったのは、
去年の12月頃だったと思う。
金欠にあえぎながらも週に一、二回の外食を楽しみ、
残りは社食でどうにかしのぐという生活を続けていた私(たち)に、
会社の方が「お弁当を持ち寄りましょう」と言ったのが始まりだった(はず)。

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今日は、なかしましほさんのレシピで「お麩じゃが」を作り、
冷蔵庫に残っていたクレソンを茹で、油を切ったツナ少量+醤油で和えたものを持って行った。
ご飯はなかったので、ナチュラルローソンで塩昆布とそら豆のおにぎりを買った。

なかしましほさんのレシピ本はとても重宝している。
お麩じゃがはこの中に入っているレシピだけど、じゃがいもに火が通ればできちゃうので、
実質30分ぐらいで出来たのではないだろうか。

ごはんですよ

ごはんですよ

すごく凝った時はチキンティッカマサラとミントのアチャールを持って行った。
これは特別だけれど、昼食時に自分の好きなカレーを食べられるのはいい。
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奥に他の人のお弁当が写ってるけれど、
このときはほうれん草のネパールカレーを持って行った。
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ここで作っている料理はいずれも、小池田マヤさんのレシピだけど、
本当に美味しいのでスパイスを揃えて作っても損はないと思う。

小池田マヤ先生 カレーレシピ公開!|FEEL YOUNG編集部BLOG

こういうカレーを作って持っていくこともあれば、
全く時間がなくて何もできないこともある。

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本当に時間がないときはキャベツ+海苔+昆布茶をごま油で和えたものと、
マーマレードジャム+パルメザンチーズのホットサンドを持って行ったこともあった。

これらを通して、少しずつ、お弁当を作る習慣ができていけばいいなあと思う。