ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

自分のなかの声に抗い続けること

「ちゃんとしなくちゃ」「ちゃんとしよう」と思い始めた瞬間にすべてがダメになる。
仕事をしている時も、スノーボードをやっている時も、どんな時も「ちゃんとしよう」と自分で自分をなじった瞬間に、胸が苦しくて何もできない気持ちになる。
幼少期に「ちゃんとしなさい」と言われた記憶はあまりない。なので、私が私をダメにしているだけだと思う。

他人に対して甘い言葉や優しい言葉をかけることはできる。かけ続けることもできる。
頑張っているのを知っているし、全ての失敗はその人だけのせいではないと分かっているからだ。でも、自分に対してはそれがあまりできない。
いや、私は自分に対してめちゃくちゃ甘いんだけど、ただ「できている」ことはずっと認めてあげられていない。0か100かで考える癖が抜けないのだ。

何をやっても自分がダメ出ししてくる。
「こんなことやって何の意味があるのか」「うまい人には敵わないし恵まれた人にも追いつけないでしょ」
「この間やるって言ってたことやってないじゃん」
自分が自分に言うのでどれも的確で、その度(ちゃんとしなくちゃ)と己を鼓舞してみるのだが効き目がないどころかマイナスになるのだった。


掃除をすると気分が晴れるが、それも「ちゃんとしよう」と思った瞬間ダメになる。

何かで自分を支えたい、確固たるポリシーが欲しい、と思っているけどそんなものはなくて、日々楽な方向に流れていってしまう。
自己否定の声が大きくなると「何をやっても無駄だ」という気持ちになって、何もできなくなってしまう。今まで自分がやっていた「よさそうなこと」が全て途絶えてしまう。
自炊も、運動も、読書も、全てだ。

私は良くやってるよ、といつでも自分にかけてあげたいけど、そのためには何が必要なんだろう?
すごく甘い生活で、自分にも甘い自覚があるのに、なぜかたまに自分の中の声に抗うのが困難になる。