ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

オールタイムベストの映画

007見た帰りだったか、いつだったか思い出せないけど、恋人と「オールタイムベストの映画」という話になった。
私はもうずっと人生の1位は「オーケストラ!」という映画だけど、それ以降が決められない。

オーケストラ! (字幕版)

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  • アレクセイ・グシュコブ
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おおむねハッピーエンドになる話が好きで、多少のご都合主義はどんと来い、というタイプならオーケストラ!はハマると思う。
でもただのご都合主義ではなくて、歴史の暗い影が落ちているのがその辺りの映画との違いかなあと思ったりする。
ただそれを乗り越えての、あの最後の一連のシーンはうっとりする。

大昔2ちゃんねる辺りで見たのだと思うけど、「映画が娯楽である限り俺は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だな」みたいなのを読んで、ウワー確かに!と思ったのも事実だ。
娯楽であるなら、私も…私は何を選ぶだろう。007シリーズでもいいかもしれない。ジェームズ・ボンドは、キザで、女たらしで、カッコよくあってほしい。時代に逆行した感想だけれど。

人生で見た映画の数って私は多分少ない方だ。
そもそも映画館があまり得意ではない(暗い、狭い、自由にトイレに行けない、でスリーアウトだ)。
それでもそこで見た映画は割と心に残っていて、なぜか母とレイトショーで見に行った「最強のふたり」も好きだった。母とは夜中に「ショーシャンクの空に」「レ・ミゼラブル」とかも家で見た。

最強のふたり (字幕版)

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  • フランソワ・クリュゼ
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特に「ショーシャンクの空に」は冒頭部をチラ見してすぐ寝てしまった父に母と二人で「もったいない!」と言ったものだった。「刑務所のリタ・ヘイワース」も読んだもんね。

1位の映画はすぐ浮かぶけどそれ以降は何も浮かばない。あれもよかったこれもよかったと思うけど、その割に思い出せない。
大味なアクション映画ばかり見ているせいかもしれない。

ふと「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」を、あれは確か友達を誘ってみたかもしれない、と思った。
当時憧れていた人が見た、よかった、と言ってて、私も見たい!と思ってみたのだ。
私はああいうものに縁遠くよくわかっていないままの体験だったけど、人間の体ってあんな自由に動くんだ、ってアホの感想が出たと思う。
そのあとサントラを買ったし、三宅純のライブも行った。

なんでこんな話をふとする気になったのか、映画がどちらかといえば苦手なのに、と思っていたけど気付いた。
学生時代にバイトしていたレンタルビデオ店がつい先日無くなったからだ。

背伸びして借りた映画もあれば、貸出履歴が私しかないような映画もあった。たぶん「ラスト・エンペラー」なんてあの店で私ぐらいしか借りてなかったのではないか。