ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

二足のわらじをきちんと履くこと。

去年の9月に転職をした。
2年半の間正社員だった前職を離れて、契約社員になることにした。事務というよりは総務、総務というよりは庶務というような、言葉の微妙なニュアンスだけどそういった仕事をしている。前職の頃はトイレ掃除をしたし、会社前で死んでいた鳩の死骸を片付けたこともあった。

前職の頃から、ずっと続けている副業がある。

薄い縁を手繰り寄せて得たのはライティングの仕事で、ずっと憧れていた「自分の好きなことでお金を稼げる仕事」だ。
ライターという肩書を与えられたものの、自分は取材に行くわけではないし、SEOを考えることも企画を立てることもできない。ただ自分の肌感とSNSの反応にしたがって、自分が書きたいものを書きたいように書いている。しあわせな仕事だと思う。

ライティングで評価が高ければ、会社員としての仕事はどうでもいいと思っていた。
ライターという「自分が評価される世界」があることで、事務/総務/庶務の自分はないがしろにしてもよい。本気でそう考えていた。

でもライティングの評価が芳しくなかったり、本数が出せなくなるとそういった考えはガラガラと崩れていく。
二足のわらじ、どちらか一方の調子が良くてもだめだということに気づいたのは、ごく最近だった。

私よりも後に入った同僚が、先に正社員になった。
私とは全く違う仕事をしているから、頑張りが認められたのだと思う。いつも大変な仕事をしているから、当然だとも思う。
祝いたい気持ちのすぐ後に、胸にむかむかとあまりよくない気持ちが湧き出した。これを、わたしは知っている。嫉妬とか、そういうたぐいの感情だ。

二足のわらじの、片方が評価されていればわたしは満たされている。ライティングを頑張っていれば、事務仕事は評価されなくても問題がない。そう思っていたのは、まるきり間違いだったのだ。やっぱり昼間の事務仕事でもきちんと成果を出して評価された方がうれしい。
私は欲張りだから、どうにか二つとも評価されたい。
どちらの側面でも、ネコミミさんがいてよかったと言われるようになりたい。
わがままだな、と思うけど、どちらの側面も頑張るから、評価してほしい。

できれば、ライター一本で、なんて考えている時期もあった。
でも、現実問題として、それは「今の」自分には「まだ」できない。将来的にそういう道はあるかもしれないけど、今はまだ。
とすれば、現在は二足のわらじ、そのどちらも良い感じになるように頑張っていくしかない。

そのように、いま、決めた。

#「迷い」と「決断」

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