ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

2021年5月に読んだ本

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「だいちょうことばめぐり」はもう返してしまった

本を読む習慣が身体から抜け出てしまったようで、再定着させるのが大変な月だった。読み慣れた本を手にとって、とりあえず文字を読むことに自分を慣らそう、習慣づけよう…と思って、本をあまり買わなかった気がする。いや、買ったのだけど、買った本に手をつけられなかった。あと、今月からメモをScrapboxに戻すことにした。Notionはやっぱり自分には向いてない気がしたから。

朝吹真理子「だいちょうことばめぐり」

装丁がうつくしくて、買おうか迷っていた本だったけど図書館に入っていたので借りて読んだ。
Scrapboxに気になる文章とか惹かれた文章をメモしながら本を読むのが好きなんだけど、書き抜く箇所がぱっと定められなかった。文章がまるごとひとつ、すべて美しい気がして、自分がその一部だけ手元においておくのはおこがましい気がしたから。
読み進めながら、あ、そういえば私ってこの人の文章苦手だったんだ、と思い出した。
それは「TIMELESS」を途中で閉じたときと同じで、私、このひとの文章から匂い立つ「生まれの華やかさ」がどうしてもダメだったんだ。
そう思ってしまうと、雲母を口に含んだ話も、お手伝いさんのレシピの話も、調香師の叔父の話も、きらびやかすぎてついて行けなくなってしまった。たまにこういうことがある。
エッセイの終わりの方に、いまをときめく著名人の友人たちが出てくる。その「仲良しクラブ」みたいな輪がうらやましくて、入れない自分が本当に価値がないような気がして、だめになってしまう。だめになってしまった。
すばらしい人のエッセイに対してこういう読み方をする自分が相当卑屈というのは自覚があるけど、まあ、図書館にあってよかった。

阿川佐和子「聞く力」

本の表紙がウサギちゃんだったので買った。
たぶん阿川佐和子のキャラクター性にかなり寄った話なので、万人が万人使えるテクニックが書いてあるわけではない(と受け取った)。
とにかく相手を思いやること、それがすべて…という感じの本。
そもそも人の話を「聞く」ことに「コツ」とか、テクニックを求めるのっておこがましいのだろうか。

宇垣美里「宇垣美里のコスメ愛」

たまにこういう本を読みたくなる。これ本にカウントしてよかったんだろうか?
"私のマスカラはみどり"という、p.124のエッセイの、そういう漢字の開き方はいいなと思ってそこだけメモしてあった。
やっぱりクレ・ド・ポーの美容液か〜とか、アルビオンのボディ用の美容液いいって言うしな〜とか、そういう気持ちになるための本。

管啓次郎「本は読めないものだから心配するな」

本は読めないものだから心配するな。あらゆる読書論の真実は、これにつきるんじゃないだろうか。
(p.3)

もうこの文章だけでいい、という気持ちになる。
堀江敏幸が帯文を書いていたこと、むかし青山ブックセンターでずらりと並んでいたこと、が理由で買った本を、たまに読み返す。その度に背筋が伸びるというか、本を読むことについて向き合う気持ちになる。悲しき熱帯も、田村隆一も、多和田葉子も、私そこまで読めてないんだ。だから、きちんと読まないと。手を伸ばしてもいいんだなと思う。
久しぶりに読んだけど当たり前のように全部忘れている。本がたくさんあってよく発狂しないな、みたいなくだりが呼び水になって佐々木中を読みたくなった。そういうことを言う人間が好きなのかもしれない。本、書かれている言葉、そういうものに向き合っている人。

服部みれい「あたらしい食のABC」

一回手放したんだけどもう一回買い戻した。装丁が可愛くて、昔の渋谷パルコの地下のにおいがする。パルコブックセンターの。
これに掲載されている、たかはしよしこのレシピを服部みれいが真似したという「キャベツのホットサラダ」をいつか作ってみたいと思っている。
あと他に「あたらしい移住日記」ももう一回読んだ。雑に読んでもいいというか、服部みれいの日記本は良くも悪くも結構適当な箇所があって、そこが安心するのかもしれない。気のいい女友達の雑談を聞いている気持ちになる。

老後の先取りをしていた

3月に内定が出た企業への転職は、ゴールデンウィーク明けだった。
退職の手続きが終わってしまうと、初出社まで3週間程度時間があることになる。

いきなり空白の時間ができると、どう使っていいのかわからない。
大学受験が内部のテスト結果がよく年内に終わった時も、こんな気分だった。

この渦中でなければ、と思っても仕方がない。
私はなんでも「仕方ない」で片付けられるので、得な性分をしているなと思う。

住民票を取りに区役所へ行くと、暇そうなじいさんばあさんがちらほら座っていた。
みんなマスクをして、ぼんやりと窓口の案内板を見ている。
私もその仲間に入って、順番を待つ。

私も、知らない間にばあさんになっていた。

足腰はまだ丈夫だから、隣町までは歩いて行ける。
時間はあるけどお金は無駄遣いできないから、散歩はちょうどいい。
図書館で本を借りる。
これ読みたかったんだ、よかった。
スーパーに寄ると刺し身がおつとめ品になっていた。
それと漬物でご飯にしよう。
熱いお茶もあるといい。…

すべてのばあさんがそんな生活をしているとは思わない。
こんなの、フィクションのなかの「おばあさん」の過ごし方だ。
実際、祖母は歩いて区役所なんて行かなかったし、ボケてしまってからは本当によく食べた。

夢のような老後。
そんなものは多分、一生訪れない。

最近は、歩きすぎて軋んだ膝を伸ばしている。
こういうところに目が向くようになったのも、私がばあさんに近づいている証拠だろう。

リモートワーク、とりあえず口紅を強くしていく

リモートワークになった

この5月から新入社員として過ごしている。*1
コロナ禍にあって、前の勤務先は毎日元気に全員出勤・出社が当たり前だった。しかし転職した今、それがガラッと変わり基本的には「出社禁止」になった。これからどうなるか分からないけれど、OJTなどもすべてリモートで行われている。こういう未来が待っていると去年のわたしは夢にも思わなかっただろう。

リモートワークになって、Slackなどで会社の人々と接することになった。
インターネットで人と接するということは、特別なことではなかった。初対面の人ともまあまあ話し慣れている(と思う)。
古くはYahoo!のチャット部屋やSkype、最近だとDiscordを介して音声や文字を通じて誰かとリアルタイムにやりとりをするということは当たり前といえば当たり前だった。
いつもと違うのは、それがビデオ通話ということだ。

ビデオ通話だと、化粧をせざるをえない。しかも、できれば濃いほうがいい。*2
世の雑誌が「テレビ会議/リモート/ZOOM映え」みたいな特集を組んでいるときにもう少し真面目に読み込んでおけばよかった。化粧の加減が本当に全くわからない。春先に買ったアンプリチュードのきれいな水色のアイシャドウはビデオ越しだとほぼ発色しないしニュアンスもわからないのでダメ、かと言って毎日トムフォードの強い目元にするのは自分が疲れてしまう。

ということで、目元はキャンメイクの二色アイシャドウに頼りながら(ちょうどいい塩梅に目力が出るような気がする)、口紅で「化粧してます感」を出すことにした。

口紅が偉大
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いまのスタメンです

家から一歩も出ないということは、マスクをしなくてもいいということだ。だから、大好きなリップも楽しめる。
最近話題のKATEのリップモンスターも買いに行った。地元になかったので隣駅まで出かけたついでに買った。

  • fujiko ニュアンスリップティント / 03 珊瑚ブラウン
  • KATE リップモンスター / 06 2:00 AM
  • CHANEL ルージュアリュールラック / 79 エテルニテ

どれも大好きだけど、家で使う分にはfujikoかKATEが使いやすい。テクスチャーがさらっと軽く、グラスのふちにベタッと着きづらいからだ。CHANELは、本当に気合を入れたい時(例えば歓迎会とか)に使っている。

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上から赤茶色、暗い赤、カシス色、という感じの発色になる(私はブルベ夏診断でした)

宇垣美里さんも、本の帯で「赤リップを塗れば強くなれるし、勝てる気がする」と言っていた。

宇垣美里のコスメ愛 ~BEAUTY BOOK~

宇垣美里のコスメ愛 ~BEAUTY BOOK~

リモート全盛だろうが、マスクにつこうが、わたしは強いリップを塗っていくだろう。

ていうかリップモンスター本当にいいです。

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2本買った

発色微妙に弱いけど無香料だし伸びがいいし色が残るしクレンジングが楽。
おまけにパッケージもシンプルときた。選ばない理由があんまりない。売り切れているのも納得。

*1:転職したので、、

*2:顔が薄いので化粧が薄いとマジのすっぴんになる

2021年4月に読んだ本

もう言い訳もできない…。
環境が変わることに伴う落ち着きのなさが凄まじい月だった。料理本と漫画はノーカウントにしているけど、漫画は「かしましめし」4巻が出ていたので読んだ。私はやっぱり「おっさん」が好きだな、と再確認する。ビターな「ハチクロ」だ。私は修ちゃんが好きだった。料理本は白崎茶会の「へたおやつ」と石橋かおりさんの「おいしすぎる糖質オフスイーツ」を買って、いくつか作った。
やっぱりストレスを感じたら粉をいじる、これに尽きると思う。

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しかも月刊新潮この写真に入れ忘れた
月刊新潮 2021年3月号

新潮 2021年 03 月号

新潮 2021年 03 月号

  • 発売日: 2021/02/05
  • メディア: 雑誌
そういえば、この本の感想を書いていなかった。コロナ禍日記。
自分の誕生日を含む期間を教授が受け持っていて嬉しかった、という感想に終始してしまう。
今ぱっと思い出せるのはキクチはもう少し違う文章の形のほうが嬉しかったなということだった(「スペインの宇宙食」の巻末の日記が一番好きなので)。
多和田葉子の日記が読めて嬉しい気持ちと、池田亮司もコンピューターが壊れて途方に暮れたりするんだと不思議な気分になり、滝口悠生の日記に西武の勝敗が書いてあるのが大変よかった。あと朝吹真理子は、いま「だいちょうことばめぐり」を読んでいるけど、うん、朝吹真理子の文章だなという気持ちになる。
とにかく様々な他人の日記を読むのが好きなのだな、と再確認した。

担当の松崎さんは「どうか焦らないで、のびのび続けることがなにより大切だからゆっくり取り組んでね。」と言ってくださる。
(p.98 青葉市子)

私もこのように言われる文筆家…ライター…執筆業者…になりたい。なるぞ!

嶋田美津恵「育爪のススメ」

【特製ネイルファイル付き】育爪のススメ 飾る爪から きれいな自爪へ

【特製ネイルファイル付き】育爪のススメ 飾る爪から きれいな自爪へ

  • 作者:嶋田美津惠
  • 発売日: 2016/12/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

実用本は入れないんじゃなかったのかよと言われそうだけど、手当たり次第に育爪系のものを買って「?」となっていたので基本を学ぼうと思って読んだ。
amazonあたりのレビューに書いてあるけど、爪を削る時の形が図解で載っているのが良い。こういうこと、もっと早く知りたかった。

山内マリコ「The young women's handbook〜女の子、どう生きる?」

The Young Women's Handbook ~女の子、どう生きる?~

The Young Women's Handbook ~女の子、どう生きる?~

  • 作者:山内 マリコ
  • 発売日: 2020/05/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
ずっと気になっていた本が図書館にあったので借りてきた。なんでこんな本を山内マリコが書いてるんだ?と思いながら冒頭読み始めたら、JJの連載をまとめたものらしい。JJの巻頭を飾る華やかなコピーに対して山内マリコがツッコミを入れていくスタイル。
私はもう30歳なので、雑誌に写る他者と自分を比較して凹むことがなくなった、と言いたいけど全くそんなことはない。「自分で自分をいいね!と思えれば最高で最強」みたいなことを言っていたけど、その境地に至るまでが本当に遠い。

ジェーン・スー「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」

そういえば読んでなかったな、と思ってこれも借りてきた。
そもそもこの本、ブログに加筆修正したものが主らしい(先に出典一覧を見た。なんらかの雑誌の連載だと思ったから)。本の中で一番勇気づけられたのはその部分だった。私もブログなりなんなりを頑張ろう!と、わけもなく思った。
多分「TBSラジオ」という接点だけだと思うけど、読んでいて文体が菊地成孔っぽいな〜と感じた。
菊地成孔のキャラクターを知らない母とライブを見に行ったとき「よく喋るねえあの人」と言っていたのと同じかもしれない。私がジェーン・スーという女性のキャラクターをよく知らないまま読んだから、そういう雑な感想に帰結したのか。

ドミニック・ローホー「少食を愉しむ」

この人全部少なくしてるな。と思ったけどそんなもんか。
読み終えて「わかる!結局量ですよね!」という気持ちになった。基本的に「食べ過ぎるな」「考えて食べろ」みたいな話を繰り返している本だった。「痩せている人がなぜ痩せているか?痩せることに人一倍関心があるからだろ」みたいな話が載っていて笑ってしまった。それはそうだ。
たまに読み返して自戒するための本という感じ。私も最近は夜を食べ終わってから16時間空けて次の食事をするようにしているけど、これはやっている人多そう。

もう5月になっている。今月から環境ががらっと変わるので、ぼちぼち読んでいけるようにしたい。
新書とかも読むと面白そうだから、そういうものを読んだらよさそう。

私と生理(用品)

最近また少し生理用品まわりを変えた。閉経までまだあるから、もっと快適になったらいいと思う。

前提

あんまり生理は重くないほうで、中学生の頃同級生が生理痛で苦しんでいるのを「大変だなあ…」と眺めていた。
が、近年は「寝込むほどではないが、腰のあたりが重たくてだるい」ということが多くなってきて、特に出血がひどい一日目〜二日目あたりは会社にいると冷えるし寒いしだるいし、三重苦でとても仕事どころではなかった。
ピルはずっと飲んでいたが、このコロナ禍の中で「ピルは…不要不急かもしれない…(?)」という謎の考え方にはまり込み、去年から飲んでいなかった。気分の落ち込みなどがひどいので、また飲むことにして、次の周期から飲む予定。ずっとアンジュだったが病院を変えてからトリキュラーになった。吐き気などはなし。

使っているアプリ
  • iPhoneの「ヘルスケア」

今回から使い始めた。ヘルスケアのトップに月経って出るんだけどそれがなんとも言えずクールな感じがした。
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自分がなんとなく使ってきたルナルナとIlluminateにあるメイン機能(生理日の記録・編集、予測、通知)は揃っている印象。

今までは、ずっとIlluminateを使っていた。ルナルナではなくてIlluminateだった理由は「生理記録専用のアプリを入れたくない」「色合いがルナルナよりIlluminateのほうが好き」ぐらいの理由だった。LINEのトーク画面に居るだけなら、鬱陶しくないな…そう思ってIlluminateを使っていた。記録を見ると2019年8月から残っているので、1年以上は使っていたらしい。それより前は手帳やGoogleカレンダーにつけていたが、アプリにつけるのが一番楽なことに気付いた。

Illuminateを使うのをやめよう、と思ったのはチケットサプリの炎上だ。
ハヤカワ五味氏に対して別になんの感情もないけど、LINEに「チケットサプリどうですか!」みたいな通知が来るのが厳しい気持ちになった。


iPhoneのヘルスケアは、最近は歩数計として便利に使っているのもあって結構頻繁に見ている。結局こういうシンプルなものが一番使いやすいんだろうと思う。

使っているナプキンなど

元々エリスが好きだったけど、twitterでこの「素肌のきもち」を知ってもっと好きになってしまった。
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外装がこんなにシックでシンプル、
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中身ももっとシンプル。これでいいじゃん。twitterで紹介してくださった方に感謝したい。
昼用も夜用も同じような焦げ茶のパッケージだった。間違える人もいそうだけど、自分はこのぐらいでいいと思う。

自分が小〜中学生ぐらいの頃、夜用とかは分厚くてごわごわしていて大きくて、めちゃくちゃかさばります!という感じだった。それがここ最近のスリム化などを見ていると、技術ってすごく進歩しているんだな、と思う。日々そういう研究開発をされている方や、メーカーの方には感謝をしたい。

シンクロフィットも感謝の対象だ。

スノーボードと生理が重なったことがあり、舌打ちをしながらタンポンを入れたことがある。漏れなかったがタンポンは私のような初心者には扱いづらく、外す時に手が汚れて最悪な気持ちになった。シンクロフィットは、そういうことがない。トイレに流せるし、ナプキンを何枚も持ち歩くよりも省スペース。
もちろん日常生活でも、歩行時や立ち上がる時の「嫌な感じ」を8割は消せた。こういう快適さって大事だな、と思った瞬間だった。

吸水ショーツについて

ムーンパンツの昼用を持っている。
www.moonpants.jp
これをメインで使うのではなくて、生理の始まりかけ(そろそろ来るかも…?と思うとき)や、終わりかけ(もう終わるでしょ…?というとき)に使っている。一度、わりと出血量が多そうな日に使ってみたところ、生理痛がひどくなるような感覚があった。それ以来、出血量が少ない始まりかけか終わりかけの日に使うようにしている。
GUの吸水ショーツも気になるが、あの、腰のあたりがぐっと重たくなる感触が再現されたら嫌だなという気持ちもあって、ムーンパンツ1枚あれば、いまの自分の運用であればいいかなと思う。

自分が若い頃より生理まわりは進歩している

シンクロフィットは劇的な進化を感じたけど、よく考えたら自分が小学生の頃よりもナプキンは薄くて軽くなっている。吸水ショーツなんて発想もなかったような気がする。
自分より年下の人々、生理についての理解もめちゃくちゃある気がする。
「時代が変わる」というのを、肌感覚で一番感じられて「理解」できるの、生理まわりの話かもしれない。

あの人が神様だったらどうしよう?

あの人が神様だったらどうしよう?と、ろくでもないことを思うことがある。

有給消化に伴って、ここ数日は日中の散歩を義務としている。隣街まで歩くと、概ね3kmぐらいは歩けてしまう。
先日も隣駅の本屋まで行こうと、イヤホンも付けずにだらだら歩いていたときだった。

「すいません」

自分ではないと思ったので、一回目はそのまま素通りした。しばらくしてもう一度声をかけられて、その声が自分に向いていることに気がついた。顔を向けると、そこには自転車に乗った外国人の青年がいた。

「○○駅までは、どうやっていけばいいですか」

そこそこ流暢な言葉だったので面食らってしまった。
あ〜、ちょっと待って、とGoogle Mapを開く。現在地からその駅までは近いので、何個か道を曲がればすぐに着く。
「その先の信号を右に曲がって、そのあと直進すれば着きますよ」
「ありがとう」
そこで会話が終われば、美しい光景だったのかもしれない。

彼がふと「あなたはどこに行くところ?」と話しかけてきた。
「本屋です、もうすぐそこで」と、ビルを指差す。知らなかった、と言う。
もうこれでいいだろう。信号待ちをしていた人々にじろじろ見られていて、自分がなんだか身の丈に合わない善行をしているような気がしてきた。
「ボーイフレンドはいる?」と聞かれる。
え、と思った。「あれ、駅まで行けますか?大丈夫?」と聞いたところ「自分は○○駅にどうしても行きたいわけではなくて、誰かと話したかった」というような答えが返ってきた。もうお手上げだ。
メールアドレスを聞かれたが、用事があるから、とそそくさとその場所を後にした。

怖かった。
怖かったが、そのあとで、彼の言い分を100%信じたほうが良かったのかどうか、思い悩んでしまった。
オンラインで日本語を学んでいるという彼。話し相手がほしいという彼。

しかし一方で「国際ロマンス詐欺」という物騒な文言が浮かんだのも、また事実だ。
あれは詐欺の一端だったのかもしれない。あそこでメールアドレスを交換していたら、なにかロマンチックな言葉が送られてきていたのだろうか。

それとも、神様だったのかもしれない。
私の「人を信じる」という気持ちを試したのかもしれない。
神よ。私も途中までは本当に目の前の人間を救いたかったんです。なんなら一緒に○○駅まで行ったってよかったのです。
でもメールアドレスを、と言われたときにギョッとしたのです。あ、これは違うかもしれない、と。

神よ。私の行動は正しかったのでしょうか?と、特定の宗教を信じていないのに問いかけてしまった。

日用をみつめる vol.04

「日用をみつめる」は、ひと月〜半月に一度、自分の身の回りのお気に入り≒日用を並べて、見つめるという試みです。

育爪をやっていこうとしている
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ヤスリがついていて大変便利

なんだかんだと爪が短いのがコンプレックスだ。爪を噛む癖が小学生〜中学生ぐらいまで抜けず、しかも爪をむくのも好きだったのでハイポニキウム?なにそれ?状態。
ネイルエンビーを塗り続けた間は爪自体は強くなって長く伸ばせるようになったものの、相変わらずネイルベッドは短くてピンク色の部分が小さくて微妙…となって、とりあえずきちんと本でも読もう、と買ってみた。

【特製ネイルファイル付き】育爪のススメ 飾る爪から きれいな自爪へ

【特製ネイルファイル付き】育爪のススメ 飾る爪から きれいな自爪へ

  • 作者:嶋田美津惠
  • 発売日: 2016/12/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
なんとなくスクエア気味に整えたらいいのは知っていたけど、図解してあるのでわかりやすい。そしてずっと気になっていたアンティセプトも、この間行ったお店で見かけたので買ってしまった。水みたいにサラサラしているので、これでは保湿が足りないな…と思い、ukaのネイルオイルを塗っている。
まだ始めたばっかりなのでなんとも言えないけど…。これで、少しはシアーな色が似合う爪になってくれたらいいんだけど。

ブルーブラック、0.38、ボールペン
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結局これが一番使いやすい気がする(気まぐれ)

LAMYのパク…よく似たデザインのボールペンを買ってしばらく使っていたけど、0.28という微妙な細さがストレスだった。ハンドクリームを塗った手が手帳につくとその油分で弾いてしまうのか、インクがよく詰まるのだ。
そのあと家にあったユニボールシグノの0.38を使ったところ、スルスル書けたがインクが少なかった。心配なので買い置きがほしい。
最寄りの文房具屋に行ったが見当たらず、ノック式のものがあったので買ってみたが失敗だった。0.5ぐらいの太さがある。
結局、同じ0.38のボールペンを書い直すことになった。筆記用具は滅多なことでは変えないほうが良いんだろう。

オンラインでの買い物をし続けている
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これはアダムエロペの公式画像です。落ち着いたレザーでスリットが入っていて本当にかわいい。

オンラインでの買い物を長いこと禁じ手としていたが、店舗にないものがどうしても欲しくなった。
通販に慣れている人にとっては当たり前なんだろうけど、最近はきちんと丈感を測るようにしている。
アダムエロペのレザースカートの他には+jのスカートやルシェルブルーのワンピースなどを買った。今は黒いかばんを欲しがっている。

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油断すると全身真っ黒になるけど、まあ、こういう服装が好きだから仕方ない

そろそろ金子綾さんの「黒を着る」みたいな本を手にとってもいいかもしれない。

黒のおしゃれ ~EVERYDAY BLACK!~

黒のおしゃれ ~EVERYDAY BLACK!~

引き続き日用をみつめていく。