ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

ひろがれ世界、ポケモンGOについて


何歳になってもピカチュウをゲットすると嬉しい。

はじめてポケモンをクリアしたのが何歳のことだったのか思い出せないけど、
すべて持っていたバージョンのなかで青を選び、かつパッケージに居るからという理由でゼニガメを選んだ。
LV100の裏ワザを試した結果、LV100になったカメックスと一緒にポケモンリーグを制覇し、殿堂入りした時には嬉しくて泣いた。…でも、カメックス以外のパーティは思い出せない。

どちらかと言えば、銀をクリアした時のほうが覚えている。
Lv100の裏ワザは使わなかった。
ヒノアラシを選んで、たぶんデンリュウとか赤いギャラドスがパーティにいて、一緒にジョウト地方を回った。
私のバクフーンは「ころがる」と「かみなりパンチ」が切り札だった。
一緒に回ったのは、ヌオーとデンリュウだったと思うけど、もうあまり思い出せない。

「リニアが開通したんだよ!」とゲームの中のキャラクターが言う。
リニアは新幹線のような形をしていて、それに乗ると、カントーヤマブキシティに着く。

その瞬間、世界が拡がった、と思った。

金銀の冒険の世界は「ジョウト地方」だった。
でもリニアに乗って着いた先は、赤緑青黄で旅をした「カントー地方」。
あの時ゼニガメを連れて回ったところだった。いまはヒノアラシを連れて回っているけど、とにかく、世界はその瞬間拡がって、ポケモンの世界は地続きになった。

あの時の鳥肌が立つ感じ、目が見開かれる感じ、いまも覚えている。
そして「世界が拡がった」という感覚。

世界が拡がることは稀有だということを私は知っている。
もう「アラサー」と呼ばれる歳になり、ポケモンの最新作が出るたびに一通り遊んで、
あの時感じた「世界の拡がり」は、いまや「ふつうのこと」になってしまった。

それでも、もう一度世界が拡がるかも、と思う。
なんの理由もないのに新宿御苑に行って友達とひたすら歩いては見知らぬ子どもたちに「あっおねえちゃんたちめっちゃ捕まえてる凄い、俺んちもねポケストップが近くにあってね、ボール無限に取れるんだよ!」と言われたこと。
特に用事もないのに舞浜駅まで行って、イクスピアリ中をぐるぐる回ったこと。
そしてその場に集まったほぼ全てのひとたちが「ポケモントレーナー」であったこと。

もう一度世界よ拡がれ!と思う。
あの頃のワクワクが少し蘇りそうで、嬉しいから。


あの頃、特に見向きもしなかったポケモンがやたら可愛く見える。
サンドはタップするとくるくる回ってとってもかわいいのです。