ネコミミにひかりあれ

エッセイを書いています。

あなたの追う文字を私も追おう:本を薦めるということ

id:attsumi さんがtwitterで下記のようなことを仰っていたのでなんとなく書いてみた次第。

ここ最近は知りたいことが増えて、本を選んで読むのがとても楽しい状態が続いているけれど、人が良いですよってすすめてくれた本を読みたいって気持ちもあるので、皆様好きな本や影響を受けた本をぜひブログにかいてくださいおねがいします

河岸忘日抄 (新潮文庫)

河岸忘日抄 (新潮文庫)

堀江敏幸の傑作長編小説だと思っている。単純にブックガイド的に読んでも面白いと思うし、氏のエッセイかと思うような作りでもある。
事実彼は小説内の主人公と同じようにフランスへ留学のようなことをしていたわけだし、紹介される本は全て氏の好みだろうと思う。
この小説内の主人公は人に話せばそこそこドラマティックな経験ののち、ありふれた日常を過ごしながらクレープを焼いたり、
古い本を引っ張り出して読んだり、異国の事務手続きの煩わしさに腹を立てたりする。

おぱらばん (新潮文庫)

おぱらばん (新潮文庫)

おぱらばんという単語は仏語で「過去」を示すものらしいが、堀江氏が出会った中国人の留学生はみなこの単語を使っていた、
そういう話から始まる表題作、一瞬小説なのかエッセイなのかわからなくなる「貯水池のステンドグラス」などなど。
堀江敏幸なら上記二つがとても好きです。これもブックガイド的に読んでみてもいい。
私は「ソロモン王の苦悩」を読んだ。

佐々木中という名前を知ったのはヴィレッジヴァンガード新宿店で展開されていたこの本からだった。
鮮烈としか言いようがなくて、どハマりして読んだ。

このあたりも「切りとれ〜」と同じにおいで、後者に関しては河出文庫から出ているので持ち運びも便利。
(私はまだ読んでおりません、、だめじゃん、、)
というか「切りとれ〜」の鮮烈さをこの二作が超えてゆかない(ファーストインパクトが凄すぎた)、という話。

スペインの宇宙食 (小学館文庫)

スペインの宇宙食 (小学館文庫)

菊地成孔のエッセイって何冊か出てるのだけど絶対にこれを断固としておすすめします。
理由はただ単に「ウェブで公開されていた食に関する日記が読めるから」なんだけどこれが相当面白いのでおすすめです。
私のようにブログの文や行間、固有名詞よりその人を見てその人になりたいと思うようなミーハーな人間なら面白いと思う。
これも、堀江敏幸の本のようにグルメガイド的に読めたりする。代官山のシェ・リュイとかね。

パーク・ライフ (文春文庫)

パーク・ライフ (文春文庫)

一時期小説が読めなくなって、薄かったのでなんとなく手に取ったらよかったという話。
表題作はなんというか決断の瞬間がすごく鮮やかで軽やかで良い印象がある。

もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

もしもし、運命の人ですか。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

こじらせ系恋愛エッセイ。ほむほむこと穂村弘が語る魔性の女の話とか、私が好きな人は私なんかを好きにならない。みたいな痛くて屈折した話などなど、
私はすこーーーんと膝を打ちながら「うわーーあるあるあるある!」と頷くばかりでございました。ほんとうに。
ほむほむだとこっちも好き。
世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

世界音痴〔文庫〕 (小学館文庫)

エッセイの最後に短歌が添えらえている。というのすてき

あと「手紙魔まみ〜」は最高だし文庫化したのでぜひ。

彼女のこんだて帖 (講談社文庫)

彼女のこんだて帖 (講談社文庫)

めちゃめちゃに心が砕けたときとか、どうにかしないと。という時に。
結局のところ美味しい料理を食べるとなんとなく嬉しい。という感じがします。そしてレシピ付き。
で、何が良いかというと連作短編集になっているという点。

料理ならこちらも。
作中のレシピは作ったことがないけれど、いつか作りたいと思っている。
そして「どうにかしないと。」という時、手を動かせばだいたいのことは晴れるのだけど、趣味もやる気にならないし、という時には
おそらく、決まって料理が一番手っ取り早い処方箋なのだと思う。

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉

本は読めないものだから心配するな〈新装版〉

まだ数頁しか読んでないのだけどこの表題が卑怯すぎて切れ味抜群すぎて最高なので。

しかしこうしてみると私はほんとうに本読んでないな、、まずい。
同じ本ばかり繰り返し読んでしまうので、こういう記事を書くと似通ってしまう。なにと。過去と。

参考になるか分かりませんが、読書の秋ということで。